「ただちに健康には影響がない」という言葉の不明瞭さと軽さ

私は、IAEAも含めて、米軍フランスなどが乗り込んできたことを好ましく思っている。なぜなら、日本政府よりも彼らの方が信用ができるからである。



日本の原子力政策とは、どうやら官学電まるごとずぶずぶの関係になっているようだ。いままではこれは反原発の人たちの妄想だとばかり思っていたのだが、ここ数週間の発表を見る限り事実だと確信できる。これがただ利権のツケ回しだけだったら、甘受できないこともない。自分も、自分の大事な人たちの命もかかっているのだ。この状態を受け入れることはできない。



いまであれ、政府の公式発表は「基準値の2000万倍だが、ただちに健康に影響はない状態」という決まり文句がある。

それは素晴らしい。本当なら。ただしこの発言にはものすごい欺瞞がないか。



■「基準値の2000万倍〜基準値ってなんだ？



基準値はこれこれだが、これの2000万倍。などと良く聞く。感覚が麻痺しているが、これでも仮に問題がないのなら、そもそも基準値とはなんの基準値なのか。原発で働く人たちの安全マージンを暫定的に倍にしたなどというが、

本当に大丈夫なのか？この基準値自体がとても恣意的に決められており、都合によって自由に動かすことができる、適当なものなのだ。



■「ただちに」の言葉の定義は？



もう枝野幹事長の18番になった、「ただちに」だが、これも眉唾物だ。言葉の定義をはっきりして欲しい。ただちに痒くなるということだったら、原因と結果との間が数分とかせいぜい1時間以内と、私などは思ってしまう。人それぞれその意味合いはちがうのではないか。そのだんでいけば、被曝しても1時間以内では全く問題がないかもしれないが、数ヶ月か数年後は保証しませんがという意味をいっているのではないか。枝野がただちにを連発するのは、彼が法律家（弁護士）であり、あとから言葉尻を取られないように気をつけて話をしていることだ。政治家ならばその気をつける方向が、国民を守る方向に行って欲しいと思うのだが、どうやら保身と政権の維持にだけ向いているように思えてならない。



■「健康には影響がない」ってどこまでなの？



おそらくこの言葉を聞く国民は、永久に近い形で「健康には影響がない」と思うのではないか。正確には何年間影響がないかのコメントがなくてはならない。おそらく誇張ではなく、枝野は触れた瞬間に即死しない限り、「健康には影響がない」と言い続けるのではないか。これは聞く私たちにも問題はあって、白か黒かの答えを求めたがる。人間の健康はありとあらゆるものの影響を受けて、その総和で健康は決定するような気がする。はっきりいえば、日本人の半分はガンで死ぬ。完全な保証なんてできないことを知るべきだし、今日家の前を出た瞬間に車にひかれるのかもしれない。そのガンが原発が原因となのか、そうではないのかは国には責任はない、なくしたいから安全を強調し、避難そのものをみとめないのだろう。



ただ、ただ！日常、住んでいる中でこのような生命の危険の発生を受け入れることはどんな人もできないはずだ。安全だというのなら、枝野は自分の家族を30Km内に引越しさせるべきだ。菅は自分の夫人と息子を移住させるべきだ。なぜしないか、そこに危険があるからにほかならない。



国はどれだけの資源を使おうとも、どんなに今後不利益が発生しようとも、この避難区域の人々、そしてIAEAが勧告したエリアの人々を安全に避難させ、その生活の安寧を保証しなければいけない。絶対に。そしてそれができなければ、原発は作るべきではないし、作れないだろう。それどころか現在原発がある地域の人たちもその処遇が、国が平時にいっていることといかに差があるのかということを見ている。



日本中が見ている。











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