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使いたいサービス「コルシカ」と確信犯のエニグモ
コルシカという新しいサービスがエニグモより10月7日にローンチされ、10月14日に一時閉鎖になった。これすごくおもしろいサービスで、私もここを通じて雑誌を買いたいと思っている。
サービスの概要はこうだ。
・雑誌をコルシカを通じて購入する。コルシカでは購入者実数の雑誌を購入する。
・コルシカでは雑誌現物の提供にも対応しているが、郵送費がかかる。
・コルシカは購入した雑誌をスキャンして、独自のリーダーでオンライン上で読めるようにする。このリーダーでは印刷や保存はできない。
・データはリーダー上でクリッピングやファイリングが可能。
これはすごいぞと思う。
まず、雑誌や本のデジタルデータのニーズはユーザー側には絶対にある。とにかく日本の住宅事情では、買ったら捨てないとスペースがとれない。押入に入れたりしている人もいるが、私もそうだけど一度ひもでくるんだ雑誌はなかなか開けないのが実状だ。scansnapがよく売れているように、紙のデータをどんどんスキャンするようなことは個人レベルでも進みだしている。
またデジタルデータにすれば、どこでもそれを閲覧することができる。新しい雑誌が家に届いても、それを旅先で見ようとすれば、重い現物を持ち出すしかないが、端末があれば、それも不要である。カーグラフィックを一年分持ち歩くのは不可能だが、PC一台があればそれでいいというのは大きなメリットだ。
一方、紙のデータをデジタルデータにするときに必ず著作権の問題が出てくる。出版社や著者に対して利益や報酬はあくまで現物の購入でしかない。エニグモはコルシカ経由で購入した雑誌は現物の数だけ購入するという。こうすれば、事実上本は購入されているので、出版社には損はないはずだ。スキャンをするという行為自体は、あくまで個人が使うためにデータ化をしてあげるというスタンスであり、そこにフィーは発生していないのもポイントだろう。
まあ案の定、雑誌協会は、待ったをかけてきている。しかし私は、これもエニグモは計算づくなのではないかと思う。要は彼らは、なんだかんだとかんだと著作権を拡大解釈して、出版物のデータ化を拒む出版業界に喧嘩を仕掛けているのだ。それも勝てる見込みのある喧嘩を。
エニグモとしてはここでブレークスルーをすることでこのサービスを再開するだろう。amazonのkindleが日本の出版物を飲み込む前に。最終的には、現物のスキャンではなく、出版会社からのデータのダイレクトな提供をねらっているはずだ。
この一見エニグモにもメリットがないサービスのどこで利益をとるのか。私の邪推だが、一つはkindleのようにリーダーとなるマシンの販売がある。これを薄型で作ったら随分メリットがあるし私はほしい。
そして、もう一つはストレージサービスだと思う。よく読むと、コルシカではデータは3年分のみセーブするとしている。私は気に入った雑誌は取っておけるのならずっと取っておきたい。ましてやクリッピングしたデータはもちろん。そこで3年以降の仮想書庫を売り出せばいい。これはデータセンターと同じ安定的な収入になる。
雑誌や本はディスプレイでは読みたくないという声は多い。なのでこれが出てきても紙を買う人も多いだろう。一方で出版社からすれば、見込み生産で返品を抱えるリスクは減る。ただ大きな被害を被るのは町場の書店だろう。書店はますます売れ筋の本にしぼり、本以外のものとの編集効果をだしていかないとだめだろう。
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